SEOライティングとは、Googleなどの検索エンジンで上位表示させるためのライティング技術です。
ユーザーに読みやすい文章を書くことが大切であり、同時に検索エンジンの評価基準を意識した文章を書く必要があります。
まずは、キーワードのリサーチを行い、ユーザーのニーズを調査して、記事の構成案を考えます。SEOから考えるのではなく、ユーザーのニーズを満たすコンテンツは何か?
ということを考えることが重要です。よくある間違いとしては、キーワードを詰め込んだり、文字数は競合ページよりも多い方がいいなど、SEOを優先して記事を作成することです。
目次
SEOライティングで重要なこと
SEOライティングで重要なことは、「ユーザー」と「検索エンジン」の両者を意識した文章作りです。
ユーザーにとって有益で、かつ検索エンジンに適合したコンテンツを作成することが求められます。その中心にあるのは、ユーザーファーストの視点です。
タイトルタグやメタディスクリプション、hタグなどを適切に設定し、検索エンジンがコンテンツを理解しやすくします。また、適切にキーワードを使用してコンテンツを構築し、そのキーワードに対するページの関連性を高めることも重要です。
Googleの評価基準E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の理解もSEOライティングで重要な要素です。これは、コンテンツがユーザーにとって価値ある情報を提供しているか、そしてその情報が信頼できるかということを評価する基準です。
検索アルゴリズムの理解
検索アルゴリズムは、200以上の要因がありますが、SEOライティングにおいて、E-E-A-T(Experience, Expertise, Authority, and Trust:経験、専門知識、権威性、信頼性)、YMYL(Your Money or Your Life)、スパムフィルターについては最低限覚えておく必要があります。
E-E-A-T (Experience、 Expertise、 Authority、and Trust:経験、専門知識、権威性、信頼性)。主に、コンテンツが信頼できる情報源から来ているか、そしてその情報が専門的かつ正確であるかを評価するためのものです。
YMYLは、「あなたのお金またはあなたの人生」の略で、Googleが検索結果の品質を評価する際に使用する概念です。ユーザーの生活、健康、金融安全性などに大きな影響を及ぼすコンテンツについて、Googleは非常に厳格な品質基準を設けています。
スパムとは、検索エンジンのランキングを人工的に操作しようとする行為(キーワードの詰め込み、不自然なリンクの生成、重複したコンテンツの掲載など)を指します。Googleは定期的にアルゴリズムを更新し、スパム行為を探し出して排除しています。
SEOライティングの流れ
SEOライティングは、①キーワードマーケティング、②キーワード選定、③ニーズ分析、④構成案の作成、⑤コンテンツ作成の5つの流れで構成されています。それぞれ、①どんなキーワードにニーズがあるのか?、②どのキーワードを対策するのか?、③そのキーワードにはどんなニーズがある?、④構成案は?、⑤テキストと画像をどうするかという観点を考えます。
- キーワードマーケティング
- キーワード選定
- ニーズ分析
- 構成案の作成
- コンテンツ作成
①キーワードマーケティング
キーワードマーケティングとは、記事を作成するキーワードを選定するために、キーワードの一覧を抽出し、そのニーズを調査をすることです。
まずは、キーワードの一覧表を作成し、その中でどんなキーワードに対して、記事を作成していくのかというSEOライティングの戦略を考えます。
例えば、賃貸・不動産に関する記事を作成する場合、「賃貸」というキーワードのサジェストや関連ワード抽出して、キーワードを一覧化します。そしてキーワードプランナーなどを利用してキーワードの検索数を取得して、ユーザーのニーズを可視化します。
- 領域を決める(賃貸・特定の業界など)
- その領域の関連ワードを抽出する
- キーワードごとの検索数を取得
領域を決める
キーワードマーケティングする前に、どの領域のコンテンツを作成するか検討します。領域選びは非常に重要で、例えば、医療やお金に関する領域では、Googleが非常に厳格な品質基準を設けているため、安易に選べない領域です。
そのため、事前にライティングする領域の検索結果を調査する必要があります。
関連ワードの抽出方法①
領域を選定したら、次にその領域のキーワードを抽出します。キーワードは、サジェストを確認する方法、関連ワードを確認する方法があります。
また、Google広告のツールを利用して関連ワードを抽出することもできます。サジェストは、Googleで検索すると虫眼鏡で表示されるキーワードです。関連キーワードは、検索結果の1番下に表示されるキーワードです。どちらも、検索したキーワードに関連してユーザーがよく検索しているキーワードです。
関連ワードの抽出方法②
Google広告を利用して、関連キーワードの抽出をすることができます。①ツールと設定から、キーワードプランナーを選択し、②新しいキーワードを見つけるをクリックします。③調査したい領域のキーワードを入力して、結果を表示をクリックすると関連するキーワードの一覧が表示されます。
キーワードの検索数を取得する
キーワードの検索数の取得は、キーワードプランナーで取得することができます。Google広告の①ツールと設定をクリックし、②検索ボリュームと予測をクリックします。次に、関連ワードで抽出した③キーワードを入力して開始するをクリックすれば、各キーワードの検索数を確認することができます。ただし、Google広告を出稿していないと正確な数値を取得することができないので注意が必要です。
②キーワード選定
次にどのキーワードに対してライティングをするのかを選定します。キーワードを選定する前に、検索意図についても確認する必要があります。キーワードによっては、記事ページを検索結果の上位に表示させることが難しい場合もあります。そのため、①キーワードの一覧化、②検索意図の確認、③キーワードの選定という流れで進めていきます。
- キーワードの一覧化
- 検索意図の確認
- キーワード選定
キーワードの一覧化
関連キーワードを抽出し、各キーワードの検索数を抽出することができたら、キーワードを一覧化します。
一覧化したキーワードで、「検索数の多いものから記事を作成していけばいい」というわけではなく、ユーザーの検索意図の確認が必要になります。
例えば、「賃貸 東京」というキーワードを狙うための記事ページを作成したところで、上位表示はできません。「賃貸 東京」で検索するユーザーの大半は、賃貸物件を探しているので、物件一覧ページがユーザーにとっては最適です。Googleもユーザーのニーズを理解して、検索結果を表示させているので次に説明する検索意図の理解は非常に重要です。
検索意図の確認
ユーザーが何かを検索する際には、何かしらの意図があって検索しています。検索意図は、主に4つに分類できます。
記事を作成する場合は、主にKnowクエリを選定します。例えばキーワードがDoクエリに該当する場合は、記事ページでは上位表示されにくい傾向があります。そのため、キーワード選定ではKnowクエリを中心に選定する必要があります。例えば、「賃貸 東京」というキーワードはDoクエリに該当するため、記事ページでSEO対策することが非常に難しいキーワードです。
- Knowクエリ:ユーザーが特定の情報を知りたいときに行う検索クエリです。例えば、「賃貸の選び方」といった情報を探しているクエリです。
- Goクエリ:ユーザーが特定のウェブサイトに直接アクセスしたいときに行う検索です。例えば、「Facebookログイン」など、特定のウェブサイトを訪れる目的のクエリです。
- Doクエリ:ユーザーが何かを行うための情報を求めるときに行う検索です。例えば、「賃貸 東京」など、賃貸物件を探したい、何かを予約したい場合のクエリです。
- Buyクエリ:ユーザーが何かをオンラインで購入したいときに行う検索です。例えば、「iPhoneを購入」など、商品やサービスを探している場合のクエリです。
③ニーズ分析
キーワードを選定したら、そのキーワードで検索するユーザーのニーズを分析します。ニーズの分析では、関連キーワードの調査、競合サイトの見出しを調査します。検索するユーザーがどんな情報を求めているのか、ここを理解することがライティングでは非常に重要です。
選定したキーワードのサジェスト、関連キーワードを分析して、ユーザーのニーズを把握します。例えば、「賃貸 選び方」というキーワードであれば、関連して「賃貸 選び方 一人暮らし」「賃貸 選び方 同棲」「賃貸 選び方 防音」というワードが検索されています。そのため、一人暮らし、同棲、防音というテーマを記事に入れることで、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作成することができます。
検索結果ですでに上位表示されているサイトの見出しを参考にします。上位表示されているということは、Googleからユーザーに価値のあるコンテンツを提供していると判断されている可能性が高いため、記事の構成案を考える上で非常に参考になります。例えば、「賃貸 選び方」というキーワードを検索して、その上位サイトのhタグを抽出します。
関連キーワードの調査
選定したキーワードの関連ワードを調査します。
ここでは、「賃貸 選び方」というキーワードを例に説明します。「賃貸 選び方」の関連ワードを調査すると、一人暮らしや同棲、防音、女性、コツといったワードでも検索されていることがわかりました。記事の構成案に、これらのテーマを含めることを検討します。
競合サイトの見出し抽出
ここでは「賃貸 選び方」を例に説明します。「賃貸 選び方」と検索して、上位に表示されているページのhタグを抽出します。複数のページを参照して、どんな構成案になっているのかを調査します。
④構成案の作成
次に「賃貸 選び方」を例に構成案を考えます。基本的には、ニーズ分析で調査した内容を踏まえて構成案を考えますが、それでは上位ページとコンテンツが一緒になってしまうため、ユーザーのニーズを推測して、オリジナルな構成案を追加することも検討します。
⑤テキスト作成
最後に、構成案を元にテキストを作成していきます。①テキストは、誰が読んでもわかりやすい記事内容になっているか?複雑なものは図形やイメージを使って、表現できているか?行間やフォントサイズなど、適切に設定されているかなどを確認します。
また、②誤字脱字や③言い間違いは、記事の信頼性に大きく関わります。そのため、記事を作成した後は、必ずテキストについてチェックする必要があります。
見出しには、キーワードを含め、④見出しを見るだけで全体の内容がわかるようにします。また、重要な内容は前半に設置します。また、⑤目次をつけることで全体の構成がユーザーにわかりやすくなります。
- ユーザーファースト
- 誤字脱字
- 言い間違え・誇張表現
- 見出し構成
- 目次の設置
E-E-A-Tを意識したコンテンツ作成
Googleの検索アルゴリズムは常に進化しており、最新のアップデートではE-E-A-T (経験、専門性、権威性、信頼性) の重要性が強調されています。記事コンテンツにおいても例外ではなく、E-E-A-Tを意識したコンテンツ作成が重要となっています。
- 経験 (Experience):コンテンツ作成者がそのトピックについての直接的な経験や体験を持っていることが重要になります。経験や体験を含んだ記事コンテンツが作成できないか検討します。
- 専門性 (Expertise):コンテンツ作成者がそのトピックについて十分な知識を持っていることが重要となります。また、専門的な記事を作成する場合は、専門家に監修を依頼するなど、より専門的な記事作成を検討します。
- 権威性 (Authority):コンテンツやその作成者がそのトピックについての信頼性を持ち、その信頼性を他の専門家や公的な情報源からの引用、リンクなどにより裏付けられていることが重要となります。
- 信頼性 (Trustworthiness):ウェブサイトとそのコンテンツが信頼できる情報源であることを証明することが重要です。運用元情報であったり、お問い合わせ先を明確にすることも重要となります。
内部リンクの構造最適化
記事を作成した後に、ページのインデックスや検索エンジンからの評価を高めるためには内部リンクが重要になります。作成した記事を、サイトの新着や関連リンクに表示することで検索エンジンからの評価を高めます。
ページスピードの最適化
記事コンテンツにおいても、ページスピードの最適化は非常に重要です。
もし、いい記事ができたとしても、ページスピードが遅い場合、ユーザーは記事コンテンツを見ることなく離脱してしまいます。そのため、リリース後は、ページスピードインサイトで速度を計測し、ページスピードを改善していく必要があります。
インデックスの最適化
インデックスを最適化するために、記事ページをリリースしたら、サイトマップにURLを追加します。
サイトマップとは、検索エンジンにサイト内のURLを知ってもらうためのXMLファイルです。新しく作成した記事のURLをサイトマップに追加することで、検索エンジンがURLを発見することの手助けとなります。
また、独自調査やオリジナル性の高い記事コンテンツが作成できた場合は、その記事に対してプレスリリースを打つことも非常に効果的です。外部からのリンクが集まるため、インデックスされやすくなり、多くのユーザーの目に触れることで外部リンクも集まりやすくなります。
記事ページがインデックスされない要因
記事ページをリリースしても、インデックスされないケースがあります。
インデックスされない要因は多岐に渡りますが、多くは下記が要因になっています。また、突然インデックスされなくなる要因として、著作権侵害や検索エンジンからペナルティを受けている可能性もあります。
サイト内で、他のコンテンツと内容が重複している場合、インデックスされないことがあります。その場合は、重複しないようにコンテンツを見直したり、URLの正規化をする必要があります。
コンテンツが低品質であると判断された場合、インデックスされないことがあります。著しくコンテンツ量が少ない場合や、文字の羅列、段落がない文字だけの不自然なページなど、改善する必要があります。
サイト内からの内部リンクが著しく少ない場合はインデックスされないことがあります。最低でも、記事一覧ページからのリンク、関連ページからのリンクは必要となります。
ページの表示速度が著しく遅い場合、インデックスされないことがあります。特に、サーバーレスポンスが低下していると、検索エンジンが処理をする前に、離脱してしまう可能性があります。
最適化を繰り返す
SEOライティングは一度きりの仕事ではありません。検索エンジンのアルゴリズムは定期的に更新され、その中にはGoogleの「フレッシュネスアップデート」のように、新しいもしくは最近更新されたコンテンツに対する優先度を高めるものも含まれます。
これにより、ウェブサイトのコンテンツを定期的に見直し、更新することが、検索エンジンランキングを向上させるための重要な戦略となります。
具体的には、キーワードのトレンド、ユーザーの検索行動、業界の動向などを常に監視し、それに基づいてコンテンツを更新または新たに作成する必要があります。
また、ウェブサイトのパフォーマンスデータを定期的に分析し、どのページや記事が良いパフォーマンスを示しているのか、または改善が必要なのかを評価することも重要です。
これらの活動は、ウェブサイト全体のSEOを最適化するための継続的なプロセスの一部であり、記事ページにも同じく適用されます。記事が古くなったと感じたら、それが今でもユーザーにとって価値があるか、または更新が必要かを評価しましょう。
新しい情報を追加したり、古い情報を削除したり、読みやすさを改善したりすることで、記事の品質と関連性を維持し、検索エンジンのランキングを保つことができます。
最適化を繰り返すことは、一貫して高品質なコンテンツを提供し、検索エンジンからのトラフィックを維持または増加させるための重要な戦略です。
執筆者:西山 隼人
サイバーエージェントで約100社以上のSEOをコンサルティング。価格.com、食べログでインハウスSEOを担当。ウエディングパークで、SEO・UIUXのマネージャーとして集客全般の責任者を担当。大規模サイトのグロースが得意分野。
ユーザーの利便性を最優先に考えることが最も重要です。ユーザーが持つ悩みや課題を解決できるような文章を書くことが求められます。それは、ユーザーが求める情報をわかりやすく伝えること、つまりユーザーニーズを満たすことを意味します。