2023年8月30日に、Googleは「Search Generative Experience」(SGE)の日本語版の試験運用を開始したと発表しました。
SGE(Search Generative Experience)とは、Googleが開発した新世代の検索エンジンで、AI(人工知能)を活用した対話型の検索インターフェースのことです。
これは、Googleが検索エンジンの新たな可能性を追求し、より直感的な検索結果をユーザーに提供するための最新の試みとなります。
SGEとは何か動画で知りたい方はまずはこちらの動画から。
SGEとは?今考えるべき5つのSEO戦略
SGEとは何か?SGEによる影響を徹底解説します。そして、SEOではどんな対策をする必要があるのかを徹底解説しています。
目次
SGEの使い方は簡単3ステップ!
SGEを使うためには、Google Search Labs にアクセスして、SGEを有効にします。そして、デスクトップのChromeか、モバイルのGoogleアプリ(AndroidおよびiOS)で利用することができます。また、SGEは試験運用中で、今後正式に採用されるかは分かりません。
- Google Search Labs にアクセス
- SGEを有効にする
- デスクトップChromeか、モバイルのGoogleアプリで検索
①Google Search Labs にアクセス
②SGEを有効にする
③デスクトップChromeか、モバイルのGoogleアプリで検索
Search Labsとは?
Search Labs は、検索に関する新しいアイデアや機能をテストするための登録制の新しい取り組みです。このSearch Labsに登録することで、SGEを利用することができるようになります。また、Search LabsのSGEには、終了日が記載されていたため、もしかしたら2024年2月まで試用期間としてテストするのかもしれません。
SGEで実際に検索してみた
SGEで実際に「SEOとは?」と検索してみました。
SGEが生成した「SEOとは?」に対する検索結果の内容が下記の文章です。
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンを活用したマーケティング手法です。SEO では、検索エンジンの自然検索結果で上位に表示される対策を実施します。
具体的には、検索ユーザーが求める価値あるコンテンツを提供し、検索エンジンにページ内容を正確に理解・評価されるよう技術的およびコンテンツ面で Web ページを最適化します。
SEO は、検索順位の上昇を目的としています。検索順位の上昇は、サイトへの流入数の増加と相関し、顧客の獲得や成約へとつなげていくことが可能です。
SEO は「SEO 対策」とも呼ばれます。
また、時間を置いて「SEOとは?」と検索したら違う文章が表示されました。検索した後は、キャッシュによって同じ結果になりますが、少し時間が経つと改めて検索結果を生成しています。
SEO は「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化を意味します。SEO は、検索エンジンで上位に表示されるために、検索エンジンの自然検索結果でさまざまな対策を実施することを指します。
SEO では、検索エンジンにページ内容を正確に理解・評価されるよう、技術的およびコンテンツ面で Web ページを最適化します。また、検索ユーザーが求める価値あるコンテンツを提供します。
SEO は、検索順位の上昇を目的としています。検索順位の上昇は、サイトへの流入数の増加と相関し、顧客の獲得や成約へとつなげていくことが可能です。
SEO は、検索エンジンを利用して集客を図る施策全体を指す SEM(検索エンジンマーケティング)に含まれます。
SGEの各機能を紹介します
次のSGEの各機能を紹介します。①は検索結果を生成するために参考にしたサイトの一覧、②は参考サイトのサムネイル、③は関連リンク、④はSearch Labsへのリンクと品質チェックとなっています。
- 参考にしたサイトの一覧
- 参考サイトのサムネイル
- 関連リンク
- Search Labsのリンクと品質チェック
①参考にしたサイトの一覧
①をクリックすると、AIが検索結果を生成するために参考にしたサイトの一覧を確認することができます。
②参考サイトのサムネイル
②では、AIが検索結果を生成するために参考にしたサイトのサムネイルの一覧を確認することができます。
③関連リンク
③は検索したユーザーが、次に検索しそうな質問を表示しています。関連リンクをクリックすると、飛び先がチャット式のインターフェイスに変わり、追加で質問をすることができます。
④Search Labsのリンクと品質チェック
④は、クリックするとSearch Labsのページに遷移できたり、Good or Bad ボタンを押すことで品質のチェックをすることができます。
SGEが表示される検索クエリ
様々なワードで検索して、SGEがどのように表示されるのかを調査してみました。検索したワードは下記の20ワードです。
厳密に分けることは難しいですが、検索クエリの種類をKnowクエリ系、Doクエリ系、Goクエリ系、Buyクエリ系にまとめて検索しています。
また、Knowクエリ系には、YMYLに該当しそうな節税方法(お金)、風邪の治し方・コロナとは(医療)を含めて調査しています。
Knowクエリ系
- SEOとは?
- 猫 飼い方
- 節税方法
- 風邪の治し方
- コロナとは
Doクエリ系
- 東京 賃貸
- 東京 求人
- 東京 結婚式場
- 東京 ホテル
- 東京 レストラン
Goクエリ系
- スーモ
- 楽天
- トヨタ
- ゼクシィ
- 食べログ
Buyクエリ系
- スニーカー通販
- ニューバランス 通販
- 電動自転車 購入
- 格闘技 チケット
- 中古車査定
Knowクエリ系
①SEOとは?
◯◯とは?など、一般的な用語についてはSGEがほぼ表示されていました。
②猫 飼い方
検索結果は「①SEOとは?」とは異なり、AIによる検索結果は表示されませんでした。また、検索結果の上部に「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」という新しい表示が出ました。
「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」をクリックすると、下記の検索結果がAIにより生成されました。これは、情報の信憑性や、ユーザーには必要がないと判断して、生成するかどうかをユーザーに委ねているのではと推測することができます。
③節税方法
およそ、節税方法はYMYL関連のキーワードに該当するため、生成AIによる検索結果は表示されませんでした。SGEでは、基本的にYMYL関連のキーワードでAIが検索結果を生成することはありません。
④風邪の治し方
風邪の治し方でSGEが表示されていました。YMYL関連に該当するかと思いましたが、青色の検索結果で表示されています。さらに注意書きで、「これは情報提供のみを目的としており、医療上のアドバイスや診断を行うものではありません。」という表示もありました。
⑤コロナとは
流石に、通常の検索結果でもフィルターがかかっているキーワードではSGEが表示されることはありませんでした。
Doクエリ系
①東京 賃貸
東京賃貸では、最初の検索ではSGEは表示されませんでした。ただし、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示されており、帯が赤い色になっています。
さらに、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」をクリックすると、AIによって検索結果が生成されました。この検索結果で何かを解決するというよりも、ポータルサイトへのナビゲーションという役割に近いです。
②東京 求人
東京求人に関しても、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示されたので、クリックしています。検索結果は、今のところユーザーのニーズにはマッチしていなそうです。
③東京 結婚式場
東京結婚式場ではSGEは表示されずYMYLの影響も受けている可能性も高いです。
④東京 ホテル
東京ホテルもSGEは表示されず。
⑤東京 レストラン
東京レストランもSGEは表示されず。
Goクエリ系
①スーモ
スーモに関しては、最初の検索ではSGEが表示されませんでしたが、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示されて、帯が薄い緑になっています。
「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」をクリックすると、スーモとはに関する検索結果がAIにより生成されました。
②楽天
楽天もスーモと同様に、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示されてクリックすると、楽天とはのコンテンツが生成されました。帯は赤色です。
③トヨタ
トヨタはSGEが表示されず。(トヨタ、日産、ホンダは表示されず)
④ゼクシィ
ゼクシィも表示されず。
⑤食べログ
食べログは、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示され、クリックすると食べログとはのコンテンツが生成される。
Buyクエリ系
①スニーカー通販
海外では、ショッピング関連のキーワードにおいてSGEが表示されますが、日本語に関してはまだ表示されないようです。
②ニューバランス 通販
ニューバランス通販では表示されず。
③電動自転車 購入
電動自転車購入では表示されず。
④格闘技 チケット
格闘技チケットでは、「AIによる検索結果を表示しますか?」「はい」が表示され、クリックすると格闘技チケットはどこで購入できるのかというコンテンツが生成される。
⑤中古車購入
中古車購入では表示されず。
SGEを利用してみた感想
SGEはまだ試験運用中ということもあり、これからユーザーのフィードバックをもとに改善されていくと思います。
SGEを利用してみた感想としては、情報を探す上でそこまでの利便性を感じなかったというのが正直なところです。
特に、DOクエリ系のキーワードは、ユーザーの意図と異なる検索結果が表示されることが多いため、現時点では利用することはないと思います。
また、ちょっとした調べ物をするにはSGEは利用できそうな気がします。思ったよりも、検索結果の表示速度が遅くなかったのでストレスには感じなかったです。
SGEで流入数が減少するのか?
現状のSGEでは、◯◯とは?や、◯◯の仕方などのキーワード経由の流入数は減少するかもしれません。特に、Knowクエリ系のキーワードです。
ですので、記事ページを作成しているオウンドメディアにおいては、SGEを利用するユーザーが増えることで今後流入数の減少は考えられます。
SGEでSEOは終わるのか?
SGEを実際に利用してみてわかったことは、現状の検索結果においてもAIによって最適化されているため、十分に利便性が高いことがわかりました。現状では、あまりSGEの利便性を感じないのが正直なところです。
ですので、当面SEOがなくなることはないと思います。
特に、Doクエリ系のキーワードにおいては、SGEの現状のインターフェースに変わっても、従来通り自分で検索結果の情報を調べる必要があるため、大きな変化なさそうな気がします。
ただ、より一層、検索結果の上位に表示されることが重要になるため、SEOのスキルアップが必要になりそうです。
執筆者:西山 隼人
サイバーエージェントで約100社以上のSEOをコンサルティング。価格.com、食べログでインハウスSEOを担当。ウエディングパークで、SEO・UIUXのマネージャーとして集客全般の責任者を担当。大規模サイトのグロースが得意分野。